【話題】
熱中症が発生するおそれのある作業を行う場合の報告体制や必要な措置に周知義務
~厚労省・安衛則の改正により6月から職場における熱中症対策を強化~
4月15日、労働安全衛生規則の一部が改正され、
この6月1日から、職場における熱中症の防止措置が強化されることになりました。
これによると、則第612条の2第1項で
「事業者は、暑熱な場所において連続して行われる作業等熱中症を生ずるおそれのある作業を行うときは、
あらかじめ、当該作業に従事する者が熱中症の自覚症状を有する場合
又は当該作業に従事する者に熱中症が生じた疑いがあることを当該作業に従事する他の者が発見した場合に
その旨の報告をさせる体制を整備し、当該作業に従事する者に対し、当該体制を周知させなければならない。」と定められ、
同第2項では、同様の「作業を行うときは、あらかじめ、作業場ごとに、
当該作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察又は処置を受けさせることその他熱中症の症状の悪化を防止するために
必要な措置の内容及びその実施に関する手順を定め、当該作業に従事する者に対し、当該措置の内容及びその実施に関する手順を周知させなければならない。」
と定められました。
5月20日には通達「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について」(令7・5・20 基発0520第6号)が発出されています。
この通達によると「熱中症」というのは
「高温多湿な環境下において、体内の水分や 塩分(ナトリウム等)バランスが崩れる、体温の調整機能が破綻する等して、発症する障害の総称」と示されています。
また「暑熱な場所」については「湿球黒球温度(WBGT)が28度以上又は気温が31度以上の場所」をいい…
「作業」については「継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれる作業」となっています。
なお、「作業に従事する者」には、フリーランスなど労働者以外の者も含まれること、
実施するのは事業場ではなく「作業場ごと」であることに留意する必要があります。
労働安全衛生法では、22条第2号において、事業者は高温などによる「健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。」とされていて、
これに違反すると法119条1号により「6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」とされますのでこれについても留意が必要です。